🗻未来に残したい物品: スキカル2023年12月03日 09:17

以前、別のブログに極私的に書いていた、
「未来に残したい」シリーズを、
このブログに移し替え中です:

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20200525 
🗻未来に残したい物品: スキカル


スキカル。 

昭和の時代。
「産めよ増えよ」の戦後、
激増する団地や新興住宅地に住み着いた
「中流階級」という名の庶民ファミリーは、
少しでも生活費を節約したかった。 

そんなニーズに応えたのが、
スキカルだ。 
男性、 そして特に
男の子の散髪代を浮かせるために、
お母さんたちは、
嫌がる子どもにケープを着せて、
シャキーン!とスキカルを構えて、
真剣に子どもの髪を切った。 
真剣に、一生懸命に上手に切ったはずなのに、
なぜかいびつな出来になってしまうのだった。 
そう、スキカルカットだ。

スキカルカットの男子は、
小学校のクラスでも、すぐわかった。 
スキカルカットの男子の頭には、なぜか、
そこはかとない哀感が漂っていた。

私が覚えているスキカルは、
手のひらサイズの円盤型をしていたが、
ネットで調べたら立派な家電製品だった。 
私の記憶ちがいなのか?  
専用の散髪ケープもあるようで、
切り落とした髪が散らからないように裾まわりに「止め」が付いていて、
やっぱり、そこはかとなく悲しい。

世の中にどんなことが起こっても、髪だけは、伸び続ける。 
スキカルに再び脚光が当たるような、昨今である。

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 コロナ禍でのステイホーム環境の頃、
 ネット記事で、
 イギリスの家庭で、奥さんやお母さんに
 伸びた髪をバリカンで刈られて
 悲惨な髪型になってしまった男性や男の子の写真を見た時に、
 スキカルのことを思い出して、
 この文章を書きました。

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