🎹配信ライブ:スガダイロー@桜木町ドルフィー2023年11月24日 08:21


スガダイローのソロピアノの配信ライブを視聴しました。


「血中スガダイロー濃度」が低下していた折だったので、
じゅうぶんに補充できて、元気を取り戻せました。


今回の視聴も、毎曲毎曲大ウケでアゴが落っこちてばかりで、
落っこちたアゴを拾っている間に終わったという感じです。


第1部、2部をとおして、モンク比率高めで、私としては満足でした。


第1部のガーシュインの曲(じゃないかな?私はモンク版で聴いた)や、
  「Sweet and Lovely」(これもモンク版で知ってる)、
  スガダイロートリオのCDにも入っている「I Loves You Porgy」、
第2部の「枯葉」や、J.S.バッハ(の曲でしょ?)
 (第2部の最初の曲はエルトン・ジョン?
  アーカイブで聴き直したらそうだったっ!)
といった、
スタンダードやポップスやクラシックの名曲に対して
スガダイロー独自の解釈と音楽表現が炸裂するのは当然として、

モンク作品ですら、スガダイロー色に染め上げてしまうのだから、
聴いている側は舌を巻かざるを得ない。
宇宙の彼方に居るモンクも、「コイツ、骨(ホネ)のあるヤツだな」と、
ニヤリとしているに違いない。  


幼少期のクラシックピアノのバックグラウンドを積極的にレバレッジしている点も、
スガダイローによるジャズ音楽の特徴のひとつだ。

クラシックピアノをモノにできていないと、
彼のような「タガが外れたバッハ」を即興演奏できるはずがないし、
クラシック音楽の古典バッハからジャズの古典モンクへと平然と弾きつなげるような、
オツな展開を企むことは、無理だ。


アンコールでは、
ゴンチチの「放課後の音楽室」が
楽しいライブのひと時の終わりを告げるかのように、
学校のチャイムのメロディで弾き始め、
聴く人の心に、切なさと、郷愁が、しみじみと満ちてくる。

だがそこはスガダイロー。ただでは終わらない。
セピア色の思ひ出の中に懐かしく浮かぶ「放課後の音楽室」は、
意表を突くように斬り込んでくるノイズで歪み、かすれ、捻じ曲げられ、
異次元の世界へ不気味にワープしていく。


美しさと醜さ、懐かしさと不気味さ、...。
相反するものたちの、ぶつかり合いと、混ざり合いの、
混沌の中から、生まれてくる、
魂の表現の結晶が、
鑑賞する者の心をざわつかせ、揺さぶり、涙させるもの。

スガダイローは、たしかに、芸術とは何かを知っている。
スガダイローは、現世に居ながらに、宇宙と交信できている。
現世に居ると、辛いこともあるかもしれないが、
宇宙の彼方でセロニアス・モンクとストレイト・ノー・チェイサーを酌み交わす日が来るまでの、
少なくともあと半世紀のあいだは、
地上におかれてくれぐれも心身ともに健勝で、
わたしたち凡庸な地上人たちに宇宙の波動(つまり音楽)を弾き送り続けてほしい。



        ☆想ひ出写真☆
以前、スガダイローのライブを観にいった、
代官山のライブハウス(桜木町ドルフィーではないよ!
以前スガダイローのライブを観た代官山のライブハウス


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