🗻未来に記憶したい、戦後昭和の少女漫画の定番の悪役: 大財閥の御令嬢2023年12月23日 14:42

🗻未来に記憶したい、戦後昭和の少女漫画の定番の悪役: 大財閥の御令嬢


① 定石どおりの例: 
  「アタックNo.1」
  「キャンディ・キャンディ」

② 変則的な例:
  「さすらいの太陽」
  「ガラスの城」

③ 少年漫画における変則例:
 「巨人の星」(←大財閥の御曹司)
 「あしたのジョー」(←大財閥の御令嬢)



①の、定石どおりの典型的な例が、
「アタックNo.1」の、早川みどりだ。

早川みどりは、
「鮎原こずえの無二の親友でありバレーボールの盟友」というイメージがあるが、

実は、
無二の親友になる前の早川みどりは、
中学時代、
鮎原こずえを貶(おとし)めるためには手段を択(えら)ばない、
悪の極みだった。 

しかも、
早川みどりは、大会社の社長の娘である。
それなのに、
部室のバレー用具を切り刻んで、それを鮎原こずえのせいにしようとするなど、

姑息をとおりこして、公共物汚損の犯罪行為を平気で行うのだった。

ところが、
バレー部コーチの本郷先生の一計によって、
早川みどりは、鮎原はじめ他のバレー部員たちと協力し合うことで試合に勝利できるという、
チームワークを学んでいき、

最終的に、鮎原こずえに謝罪し、
その後ふたりは、無二の親友で、バレーボールの盟友になるのだった。

盟友になった後の、「バレーボールの天才」早川みどりは、
自分よりさらに天才の鮎原こずえの後塵を拝し続けることになるのだが、

No.2の地位に腐るどころか、鮎原を励まし盛り立て、
また、自らは、
サーブの女王として名を馳せることになる。

実は、
早川みどりは、
赤ん坊のころ、お母さんを亡くしている。
それを不憫に思った大会社社長の父親が、
早川みどりを猫っ可愛がりして甘やかした結果、
早川みどりは、いつも自分がNo.1でなければ気が済まない、
鼻持ちならないワンマン御令嬢に育ってしまったのだ。

主人公を陥(おとしい)れる悪の極みの御令嬢
 ⇒転じて主人公の大親友で、いちばんのサポーター。
そして、
自らの生い立ちに、悪にならざるを得なかった、
もっともな理由の存在。

早川みどりの魅力は、そこに有る。

そして、
早川みどりが居なければ、
「アタックNo.1」は、社会現象になるほど
当時の少女たちに大人気の少女漫画⇒テレビまんがになり得たであろうか。

名作には、必ず、
優れた仇(かたき)役の存在が光っている。



次回につづく!

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