🗻未来に残したい珠玉の名文: 記録...それはいつも儚(はかな)い2023年12月05日 09:50

以前、別のブログに極私的に書いていた、
「未来に残したい」シリーズを、
このブログに移し替え中です:

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20210813 
🗻未来に残したい珠玉の名文: 記録...それはいつも儚(はかな)い

「記録…それはいつも儚(はかな)い。

 ひとつの記録は、一瞬ののちに破られる運命を、自ら持っている。

 それでも人々は記録に挑む。

 限りない可能性とロマンを、いつも追い続ける、

 それが人間なのである。

 次の記録を作るのは、あなたかも知れない。」


という名調子のナレーションの後に、
小林亜星が作曲した、
『ビックリ日本新記録』という番組コンセプトを
これ以上ないほど見事に捉えて表現した
名テーマ音楽が再び流れて、
毎回、番組が終わるのだった。 

だが、上記に引用した、
番組エンディング前のナレーションのバックに流れていた曲も、
いつか塗り替えられる運命にある記録へのあくなき挑戦のロマンを掻き立てる名曲であった。


ガンバルマンさんと小林亜星先生の
両氏のご冥福を祈りつつ、

未来に残したい名文としてここに記録する。
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 この番組からスピンオフした『鳥人間コンテスト』は、
 最初のうちは、のどかな素人参加イベントだったが、
 徐々に、著名な大学の理工学部や理工系大学や理工系専門学校が参加するようになり、
 極めてプロ色が高い、各校の威信(と各方面からの資金)を賭けた、
 ガチに真剣な大会へ様変わりしていった。

 おそらく、
 全国ネットで放送される『鳥人間コンテスト』で優勝すると、
 大手メーカーや航空宇宙関連産業への技術系の就職に
 とても有利だったはずだ。
 だからこそ、年を追うごとに、
 恐ろしく真剣な、「未来のプロたち」の大会になっていったのだろう。
  
 そんな真剣勝負の人力飛行機の滑空が続く合間に、
 「ごく一般の素人さん」が参加できる
 素朴な手作り人力飛行機による
 「色物コーナー」が差しはさまれた。
 
 私が最も感銘を受けた素人飛行機は、
 もはや「飛行機」のレベルを
 ある意味で遥かに超越した、
 「パラソル1本」を携えて参加した女性だ。
 
 その女性は、 
 メアリー・ポピンズの服装をして、
 「チム・チム・チェリー」の音楽にあわせて
 メアリー・ポピンズが持っているのと同じような
 黒いパラソルを広げながら、
 道頓堀の橋とみまごうばかりの高さの助走プラットフォームの
 いちばん先端まで、踊るように進んだかと思うと、
 広げたパラソルを頭上に掲げた姿勢のまま、いきなりジャンプして、
 そのまま直立姿勢で垂直落下し、
 琵琶湖の湖面にダイブしたのだ!

 落下は、わずか一瞬の出来事だったが、
 垂直落下中に、
 パラソルは「オチョコ状態」を通り越して、単なる棒状態になってしまい、
 長い黒スカートや白いペチコートは、全部真上にめくれ上がって、
 スカートの中(ステテコだったかズロースだったかパンツ一丁だったか)が丸見え状態で、
 彼女は直立姿勢のまま落下していったのだ!

 落下先の湖面には、もちろん、
 レスキュー隊がスタンバっていて、
 すぐに救出されるのだが、
 私は、仮に、自殺をしたくなったとしても、
 あんな高所からのダイブはしたくない!と思って、
 ただただ仰天したのだ。
 
 各大学・専門学校の航空学科の精鋭の男子学生たちが
 彼らの青春を捧げて
 最新の技術で練り上げ、最新鋭の材料や機材を投入して
 一年がかりで寝る間も惜しんで作り上げた、
 実質的にプロの精工な人力飛行機たちを、
 メアリー・ポピンズのコスプレ女性は、
 たった傘一本の捨て身のダイブで、粉砕してしまったのだ! 

 そのとき、私は、確信した。
 男は、女には、かなわない。
 特に、捨て身の女には。

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