◆昔観た落語会の感想文まとめ2019年02月28日 10:20

梅の季節の夜の湯島天神
        ☆想ひ出写真☆


コロナ前まで、たまに行っていた落語会の感想文を、
他所の古ブログから引っ越しました:


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20190228
春風亭百栄 20190227 ぎやまん寄席@湯島天神

春風亭百栄の落語会を湯島天神に聴きに行った。 絨毯はふかふかだし、椅子は座りやすいし、洗面所もステキだし、天井の梅いっぱいの照明も神々しいし、吉祥いっぱいのロケーションで百栄ワールドを堪能できた。

4作とも、苦笑失笑&涙笑いで濃い~ひと時を堪能。 笑いとともに、心の底にたまった日常のイヤな澱(おり)が浄化されてゆく。 個人的には、ホームランバッターと少年のやりとりがジワジワくる噺を生で聴けてよかった。 

2月の末ということで、湯島天神の夜桜ならぬ、夜梅も満喫できたし、たわわに奉納された「合格祈願」や「合格報告」の絵馬に書かれたメッセージから、希望とハピネスをもらいました。 お参りもして慶(よろこ)ばしいパワーも注入。

早春の湯島天神で珠玉の落語を聴けるという、祝祭感いっぱいのギヤマン寄席の席亭さんに感謝。


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20190218 
春風亭百栄 鈴本演芸場 2019年2月中席(夜の部)

2月17日(日)の鈴本演芸場中席(夜の部)に行った。

トリの春風亭百栄に向けて、新作・古典が代わる代わる続き、ベテラン色物陣の確かな仕事が小気味よくつないで、とても楽しめた。

馬るこ の古典をベースにした改作の大笑いでキックスタート。
青森のシュールすぎる新作のあまりのばかばかしさ。
続いた燕路の古典の劣らぬばかばかしさ。
白鳥イズムのトホホ爆笑な世界観のあとは、中トリの藤兵衛による、くだらなさいっぱいの古典(になるのかな?)。
仲入り後の文菊が緩急を効かせた、よく考えればやっぱりばかばかしい古典でつないで、
トリの百栄の新作で客席から常時、苦笑失笑なかば悲鳴のような笑い声と最後のクライマックスで大爆笑。

新作に挟まれると、おなじみの古典作品も、「これがはじめて発表された当時は、お客さんは、くだらねぇ~な~!って思ったに違いない」、と、古典落語がフレッシュに輝いて聞こえてくるから嬉しくて不思議だ。

テレビドラマの古典といえば時代劇だが、昭和~平成にかけてお茶の間をドキドキハラハラさせてくれた2時間サスペンスドラマも、すでに様式美の完成をみて久しく、日本が誇るべき古典フォーマットとして確立したことを感じずにはいられなかった。 
BSなどで再放送が続く限り、百栄の珠玉の名作は、サスペンスの帝王・女王とともに、輝き続けるだろう。

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春風亭百栄の勉強会 (20181110)

春風亭百栄の勉強会を観に行きました。

唯一無二の世界が炸裂。 
古典でも新作臭、いや百栄臭が漂ってくる。
ドリアンとか、臭いチーズとか、漬け物とか、それを嗅いでしまったら、やめられなくなってしまった。。。。。。ていう感じの(?)お客さんたちが、毎回押しかけてくるような、勉強会と感じました。

土曜日の夜で、私らも含めて都合がつきやすい人が多かったこともあってか、お客さんがすし詰めでした。 新しい畳の匂いも芳しかった。

新作を毎月作り続けて発表してきたとは、凄い。
プロは、創作のペースがぜんぜん違うね。
どんな分野でも、創作活動の打率(成功率)は、たぶん1割ぐらいなんじゃないか(=10コ作って、ヒット作が1コできたら御の字)、と思いますが、春風亭百栄の場合は、かなり打率が高そうだと勘ぐりました。

それに、作り続けることが肝心なんだろうね。
そうやって、脳みその稼働率を、常に、クリエイティブモードに、アイドリング以上のレベルに維持しているんだろうね。 
来年からは、毎月発表してきた作品について、その完成度を上げていくとのことで、百栄ファンは、その模様をつぶさに目撃していくことになるんだね。
「よくこんなこと考えつくなぁ」な、意外性あり過ぎのストーリーと、作り込みのツメの辛さが、よりハイパーな次元にブラシュアップされた、異次元と「紙一重」の名作鬼作へと、異形の鋭さで研ぎ澄まされていくことだろう。

春風亭百栄を「妖精」と形容するのは、的を得ている。
(それでいながら、何となく安心感があって、バランスがとれているのは、社会人経験が長いために、客席(一般人が大多数)の心理を知っているからだろう。)

新作落語を作る噺家は、作家・小説家だね。 
それは、本人にとって、幸せなことなのか、不幸なことなのか。 
柳家小ゑんの、ジャズの名盤をパロった、自分の落語のCDジャケット(モンクのもそうだが、とりわけ、ソニー・クラークのハードバップの名盤のパロディ)とか見ると、失礼ながら、「かわいそう」に思えてくる。
センスが良すぎる、つまり、知性というか感性というかが、一般社会から突出し過ぎていて、この社会で生きづらくないのだろうか? と思えてくるからだ。

以前、何かのサイトで、「IQ145ぐらいの記者が、IQ160のイギリス人コメディアンにインタビューしたとき、そのコメディアンの奥さんから、『(あなたもIQが異常に高いんですって?)同情します』と、憐れまれてしまった」と書いてあったのを、思い出した。
その「「IQ160のコメディアンは、一般社会の仕事に馴染めなかったので、コメディアンになった」 と書いてあったと思う。

IQなのかはわからないが、新作落語家たちは、やっぱり「何か」が高い人たちなんだろうなぁ、と思う。
「何か」は知能とは限らないけど、クリエイティビティに関係する「何か」が高い人たちであることは確かだ。
(じゃなきゃ「フィッ!」なんて思いつかないよ。 三遊亭圓生の、本人以外の功績は、円丈という存在ではないのか。)

先の人間国宝の孫が、洋服を着て椅子に座って新作落語を演る試みをしていることも、思い出す。
タブーともいえることにチャレンジする人が異端に追いやられないどころか、保守本流の真ん中で、そういうチャレンジが行われていることは、落語が「息をしている伝統芸能」であること、話芸の本流であることを示していると思う。

【追記】 上記について、新作落語を創作する、落語作家たちも同様にクリエイティビティが非常に高い。 喬太郎の「孫、帰る」の作者、山崎雛子氏や、柳家花緑に新作を提供している作家陣などに、脚光が当たるようになり、正当に評価される商慣習が確立してきたことは、喜ばしいことだ。 いみじくもプロの演者が、誰かの書いたものを利用しようとする(つまり、利用して、直接的・間接的な収益源にしようとする)場合は、その作者がいかなる人であっても、その作者の人格・著作権・名誉を尊重し、何らかの対価を払うかたちで、使用するべきである。



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ぎやまん寄席 春風亭百栄ひとり会 (20181011)

春風亭百栄ひとり会(ぎやまん寄席)を観に行きました。

講釈の噺はニートにまとまっていて、やっぱり面白い(あらゆるものに、講談エレメントがあるんだねっ。笑った)。

「マザコン調べ」を生で聴けたが、想像を絶する翻案力に改めて絶句。

古典の「寝床」は、人間であれば一度や二度は「被害」に遭ったことがある、一般的に共感できる主題(「義理の搾取による強制的な集客」)だけに、誰が演っても鉄板ネタだと思うが、百栄スパイスが効いている。 猫が出てくると、やっぱり笑える。 それに、ドーブツが羨ましくなる時ってあるよね(笑)。

桃太郎の後日談や「最後のジュゲム」などの他の作品も、クリエイティビテイ、プラス、作り込みのツメのカラさが、異常レベルだ。 将来古典になっていくに違いない作品が多い。

また、ぎやまん寄席は、会場が素晴らしい。 
ふくいくとした梅のオーラに満ちた、吉祥の気に祝福された会場で、落語を聴ける至福の時間でした。 
(他会場でも言っているのかもしれないが、前座くんのたとえ「カーネギーホール」は、この会場に関して、まさに言い得て妙。)


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春風亭百栄の勉強会 (20180923)

春風亭百栄の勉強会を観に行きました。

新作の世界観が唯一無二。 知っているネタでも新鮮に面白い。 非凡なクリエイティビティ。

松之丞人気で復活の兆しを見せる講談だが、「伝統話芸のなかで、講談って、何?」の真髄を鋭くえぐる、その視点。 煎じ詰めれば、そうだよ、そうだよね(笑)。。。 (意味じゃないんだよね、そしてバッキンガム。。って有ったんだね。。)

真実を鋭く突く、ともすれば、的を得すぎて辛辣になりかねない視点が、風貌などのユルさによって、オブラートに包まれている、絶妙なバランス。 

渋谷・世田谷、奥の院の中野・杉並といった地域や、現代的な芸能ジャンルへの親和力。 そして、落語を聞いたことがない人を、落語の保守本流まで誘引する訴求力。 古典と新作の両方ができるからこそだ(「守・破・離」のプロセスをちゃんと経た人じゃないと、無理だろう)。
鼻濁音がちゃんとしているので、聞きやすい。 古典専門の人で、鼻濁音が出来ている人の、いかに少ないことか(圓生は、登場人物によって、鼻濁音を使い分けていた)。 上方言葉も操れるところが圓生的だ。

百栄と百栄ファンの双方にとって有益で、層の分厚い落語の地平線を押し広げる。 三方好しの会でした。


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鈴本演芸場お盆休み特別興行 (20180813)

鈴本演芸場のお盆休み特別興行に、数年ぶりに行きました(さん喬・権太郎のツートップ)。

オールスターのラインナップでした。

7月のチケット予約開始時間に、1~2秒遅れてアクセスしたら、もうアクセスできなくて、数分後につながったときには、いちばん前の数列はほとんど埋まってしまっていました○| ̄|_。。。 来年予約する時は、初動をミスらないようにしたいものです。今年もだと思いますが、全日程、前売り券は売り切れ。私たちが行った日は、立ち見が出ました。


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鈴本演芸場昼席 (20170821)

鈴本演芸場の昼席に行きました。トリは柳家喬太郎でした。

11:30am前に着きましたが、すでに50人ぐらい?列ができていました。
炎天下で暑い!早めに入場させてもらえました。
二人でけっこう良い席に座れました。立ち見のお客さんもいたみたいです。
夏休みもはじまって、遠方から来て東京で寄席めぐりをしている人もけっこういる感じでした。
寄席が終わって外に出たら、夜席(主任:古今亭菊之丞)の列もできていました。


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鈴本8月中席(夜) さん喬・権太楼 特選集 (20140815)

8月15日(金)は、鈴本演芸場 中席 夜の部
「納涼名選会 鈴本夏まつり 吉例夏夜噺 さん喬・権太楼 特選集」
を聞きにいきました。

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