🍰読書感想文:江部康二(監修)『食品別糖質量ハンドブック』2021年01月06日 15:17



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2021年01月06日にブログ「食べ過ぎるな!」に書いた記事のコピペ。

(ブログ「食べ過ぎるな!」の内容をアサブロに引っ越し中。)


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読書感想文:江部康二(監修)『食品別糖質量ハンドブック』 

20210106

 

江部康二(監修)『食品別糖質量ハンドブック』(2016)

 

糖質制限の先達の方々も推薦されていたが、いろいろな食べものの糖質量を参照するリファレンス本として、とても便利な一冊だと思う。

 

惜しむらくは、100g当たりの数値の章を、もっと大きくはっきりした文字で表示してほしかったと、糖化が進んだ目の私は思う。

 

参照用としてとても便利な本だが、しかしながら、この本に書かれている各食品の糖質量は、参照用として考えるのが良いと思う。

 

決して、この本の内容が間違っているというのではない。 実際に売られている食品の成分にはどうしてもバラツキがあると思うからだ。

 

それに、近ごろの果物はお菓子のように甘いし、野菜だってフルーツトマトのように甘いものが売られている。 昨今は、果物ばかりか、野菜までお菓子化してきている。

 

だから、この本に書かれている数値はあくまで参考数値として認識し、自分の味覚によって実際の食品を吟味することが大切だと思う。

 

たとえば、キャベツの糖質は100gあたり3.4gとなっているが、私は、キャベツはとても甘く感じる。 だが、あまり糖質を退けすぎるのも何だから、キャベツは食べ過ぎない程度に食べる。 

がんサバイバーで成功されている方々は、がんのエサになる糖質を含む食べ物全般を退けながらも、身体の炎症を抑える効果があるといわれるアブラナ科の野菜は食べておられるという印象があるが、キャベツもアブラナ科だ。 

個人的には、キャベツを食べると、ほっとする気持ちになるが、今のところはジャンキーになるほどむさぼり喰いたいとは思わないので、当分は食べていても安心だろうと思う。 私にとってキャベツは、メンタルが安らかになって、糖質も適度に摂れる食べものだが、今後農家の努力によってキャベツがもっと甘くなれば、食べなくなるかもしれない。

 

三木治療法ではキャベツは食べてはいけない食材であると、『世にも美しいダイエット』に書かれていた。 白菜やチンゲン菜の白い茎の部分もなるべく食べないように、と書かれている。 「タケノコは永久追放」とまで書かれていたが、同じことである。 

というのは、キャベツでも白菜でもタケノコでも、植物の白い部分というのは、緑色をしていないので、糖質が多いと推察されるからである。 

緑色をしていない白い部分は、まだお日さまの光が届いていない部分である。 

お日さまの光が届いていない部分が白いのは、まだそこに葉緑素が無いからである。 

植物の緑色は、葉緑素の緑色だ。 植物の白い部分は、そこに葉緑素が無いことを示している。 

葉緑素は光合成を行う。 だから、葉緑素が不在の白い部分は、光合成をして自分で養分を作り出すことが、まだできない状態であることを、示している。 

つまり、白い部分は、葉っぱの裏から吸いとった二酸化炭素6(CO2 x 6)と、根から吸い上げた水6(H2O x 6)を、太陽の光を使って、植物の身体を作る原料にする砂糖1(C6H12O6 x 1)を作り出すことができない部分であることを示している(砂糖1個を得る際にできた副産物の酸素6(O2 x 6)は、葉の裏から吐き出して捨てる)。 

私たちは、スーパーでキャベツの周りの緑のゴワゴワした葉っぱをちぎって捨てて、真ん中の白い部分だけを「キャベツ」として買っているが、実は、あのちぎって捨てている緑のゴワゴワした葉っぱこそが、一人前になったキャベツの葉っぱである。 

立派に成長して、光合成によって砂糖を作るという一人前の仕事ができるようになった緑の葉っぱを、私たちは捨てて、真ん中に小さく縮こまって固まっている、光合成ができるようになる前の、白々とした半人前の葉っぱの塊を、私たちは「キャベツ」として買っている。 

つまり私たちが買う「キャベツ」という商品は、半人前の白い葉っぱが重なり合って固まっている部分であり、その部分は、光合成の仕事ができるようにこれから一人前に成長するために、成長のブースターとなる燃料を、その固くて縮こまった白い葉の中に蓄えているはずである。 

その燃料こそが糖質なのである。 

「タケノコは永久追放」というのも、同じことである。 成長した竹が葉っぱも茎も緑色をしているのに対して、タケノコが白いのは、キャベツの真ん中の部分と同じで、まだ葉緑素が無いから白いのである。 

タケノコは、大人の竹がうっそうと茂った日の光がささない、光合成をしたくてもできないような薄暗い竹林の地面から、なるべく早く成長していち早く高さを確保して大人の竹と太陽光を競い合って光合成ができるようになるために、つまり、自分で光合成をして砂糖を作って一人立ちできるように、発芽した途端にイッキにグオーーーっと伸びて、急速に身長を伸ばすための燃料を蓄え持っているのだ。 

「雨後のタケノコ」のスタートダッシュの急成長を確実にする燃料とは、ズバリ、タケノコの中に蓄えられた糖質なのである。 だから、糖質の塊であるタケノコは、『世にも美しいダイエット』では「タケノコは永久追放」とまで書かれてしまったのである。 

これは、キャベツやタケノコに限ったことではない。 糖質制限で「NG食品」になっている植物に、日の光が届かない地中から収穫するイモ類が多いのは、そもそもイモの機能が、地上に新しい芽を出して光合成が行えるまでに植物が急成長するためのスタートダッシュの燃料となる糖質の貯蔵庫だからである。 

コメなど穀類の種が糖質の塊であるのも、同様である。 種の状態から、まずは水を吸い上げるための最初の根を地中に生やし、二酸化炭素を取り込むための最初の葉っぱを地上に広げて光合成をして自分で砂糖を作って自活できるようにして、周りの競合植物に負けずに成長して生き延びられるように、コメ粒の中にはあらかじめ、イネが発芽して光合成に必要な最小限の大きさを確保するまでの燃料(糖質)が蓄えられている。 

植物のサバイバルに必要な最小限のスケール(規模)を構築するための発芽時のスタートアップの急成長の燃料となる糖質の貯蔵庫:これが、「キャベツ」と呼ばれる菜の花のお化けのような巨大菜の真ん中の白い葉の塊や、タケノコや、イモ(地下茎)や、ニンジンの根や、タマネギ(球根)や、穀類などの種子の機能である。 

それはあたかも、ロケットが、無重力の軌道に乗るまでの推進力として、ロケット本体よりもはるかに大きい燃料ユニットを積載して発射するごときものであり、あるいは、設立して間もない新会社の経営が黒字化するまでをつなぐために、株主に出してもらった出資金のごときものである。 

ここまでくると、植物も人間と同じように思えてくる。 コメのように、発芽のスタートダッシュをブーストする燃料として糖質を蓄える植物もあれば、クルミのように油脂を燃料として蓄える植物もある。 炭水化物メインの食事と、油脂メインのケトン食のようであって、興味深い。

 

別の視点も見えてくる。 地下茎(イモ)や種子の豊富な栄養分は、植物が一人前に成るまでの急成長のフェイズを養うためのものであり、人間の場合も、成人の体格になるまでは量を食べる必要があろうが、ひとたび成人して身体が出来上がってしまえば、必要な栄養の量が減少する、と考えられる。 

中高年の人間がクルミを毎食毎食お椀に一杯食べつづけたら、食べ過ぎであろうと、誰もが思う。 同じ認識が、穀類にはなぜか持てないのは、「穀類=主食」という根強い考えがあるからであろう。

  

話を『食品別糖質量ハンドブック』に戻すと: 

 ブルーベリー()の糖質量は100gあたり9.6gと書かれている。

 ところで、「目に良いらしい」と買ってみた冷凍ブルーベリーは、100gあたりの炭水化物が16.2gと表示されている。

 炭水化物の量だから、中に含まれる糖質はそれよりも少ないだろうが、甘く感じる。 

 とくに、冷凍庫から出してしばらくして解凍状態になったブルーベリーは、とても甘い。

 

森永卓郎氏の『モリタクの低糖質ダイエット』に、「果糖ブドウ糖液糖など糖類がたくさん入っている清涼飲料水は冷やした状態だとそれほど甘く感じない」という一節を思い出した。 確かに、冷凍ブルーベリーは、冷凍状態で食べると甘く感じないが、解凍されたものは、甘い。

  

ブルーベリーは「目に良い」成分が入っているとのことだが、こんなに甘くては、「目に良い」を成分をオフセットして余りあって、結果的に「目に悪い」のではないか?

 

このような場合は、私は、自分の味覚を信じる。 今は、1日に2粒だけ食べているが、もうすぐ食べなくなって捨てるかもしれない。 糖質ジャンキーな私にとっては、「12粒だけ」が指数関数的に増加してしまうリスクを否定できないし、「果糖は糖類の中で最も危険」と主張する医師たちの存在に注目している。

 たまよ、どうやらブルーベリーは甘くなっているらしいよ:フリースタイルリブレを使った人体実験 その20 ブルーベリー負荷試験 

  

というようなことを検討する際にも、『食品別糖質量ハンドブック』は参照用としてとても便利な一冊だ。 

 

この本の数値と、実際に食べた自分の味覚を照らし合わせながら、自分にとって最適な食の探求の道を歩きながら、内なる声に耳を傾けつづける:

  

食べすぎるな!

二口女(ふたくちおんな)


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