🍰「自然派」や「健康志向」の落とし穴 ― 2020年11月27日 14:28
「自然派」や「健康志向」の落とし穴
20201127
江部先生のブログの2020年11月22日付の記事を、大変興味深く読んだ。
ドクター江部の糖尿病徒然日記 五穀米魚菜食なのにGA高値、AGEs蓄積。何故?
自然派の、ナチュラルな、健康志向の、といわれる物や考え方が、巷にはたくさんあるが、それを自分で精査せずに額面どおりに採用する際には注意が必要であるということを、改めて痛感した。
食べ物ではないが、過去に、そば粉などの「自然派」原料で作った洗顔せっけんで、そばアレルギーの健康被害が出て、訴訟問題になった。
健康食品では、イチョウの葉は、心臓が弱い人に効果があるとのことだが、心臓が強い人が摂取すれば逆に危険だ、という話を聞いたことがある。
糖質制限でやり玉にあがるお米は、血糖値を上げるということで、
実際に私も過去2回、糖質制限+小食行を行い、米をはじめ穀類・イモ類・果物・糖類をとらなかったら、2回とも空腹時血糖値があっさり下がった。
だが、世の中には、お米を恒常的に食べていて健康な人もたくさんいるだろう。
例えば、私が最近数か月、自宅でDVDを見ながら続けているヨガ整体の先生は、主におむすびだけを食べているそうだ。
ところが、食べる量が肝心だ。
その先生の1日の食事は、冷えたおむすび2個だけだそうだ。
冷えたおむすび2個ポッキリで、1日を過ごすのだ。
お通じのためにミカンも食べるそうだが、
よもや1日に10個も20個も食べるわけではなかろう。
お米や、果糖の塊のような昨今の甘いミカンも、
量が控えめであれば、しかも、
1日中身体を動かすヨガ整体が生業であれば、
身体に悪さをするほどの量ではないのだろう。
もう一つの例が、ダルビッシュ投手だ。
ダルビッシュ投手は、「お米は基本的に食べないが、某冷凍食品メーカーの焼きおむすびだけは食べる」
と、動画で語っていた。
「そうか、ダルが食べるんだから、自分も焼きおむすびを食べていいんだ!ぅわぁ~い!」
と言っておむすびを次から次へと貪(むさぼ)り喰うオフィスワーカーは、まずいないだろう。
身長195cm・体重100kgの大リーグの先発投手が、日々のトレーニングの中でおむすびを何個か食べたところで、摂取した糖質は、悪さをする前に瞬時に消えてしまうだろう。
それに、よもや1日に50個も100個も食べるわけではなかろう。
ダルビッシュ投手は、大リーグで先発を張る資本そのものである身体のコンディションの管理に鬼のように注意を払っているはずであり、
日々の体調を鋭くモニターしながら、栄養素を吟味して自分にとって最適な量を摂取しているに違いない。
ヒマ喰い、義理喰い、お付き合い喰い、ストレス喰いなんて、絶対にしないはずだ。
(これは私の憶測だが、ダルビッシュ投手は、冷凍焼きおにぎりを、室温に解凍した状態で、つまり、冷めたままで、食べるのではないか?)
「健康に良い」といわれる食べ物も、「悪い」といわれる食べ物も、巷(ちまた)に溢れているが、
どんなに「健康に良い」といわれるものでも、食べすぎれば、身体に良くないし、
どんなに「健康に悪い」といわれるものでも、食べすぎなければ、それほど悪さをしない。
この、しごく単純明快なことを、どうして忘れてしまうのか?
人間の業の深さを、愚かさを、弱さを、
わが身に振り返って、しみじみと思う。
世間やネット上に存在する様々な情報に耳を傾けながら、自分の性別・年齢・身長・体重・生活パターン、そして健康状態にとっての最適な食事の求道を継続しつつ、
今日も、明日も、あさっても、自らを戒め励ましていく:
食べすぎるな!

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